07 フランス人は英語がじょうず?


ホテルの建物は、真ん中がレセプションで
右側がレストラン、左側がカフェだった。
カフェにはテラスがあり
そこからは森に囲まれた湖が見える。
地図で調べると
大西洋に注ぐガロンヌ川の支流・Lot川の水源だ。
ホテルは、湖に面した崖っぷちに建っている。


Hotel Garabit-Panoramicの正面。
左の角がカフェテラスで
まず、ここでコーヒーを飲んで
中のようすを観察し、宿代を聞いた。
停まっているアズキ色のクルマが
“激走”のもう一人の主役
フォード・モンデオ。


土曜の午後の小学校のようにがらんとしたカフェに入ったボクは
そこにいた愛想のいい兄ちゃんに
「カフェノワ グランデ スィルヴープレ」と注文した。
「ウィ ムッシュー。スピーク イングリッシュ?」
あはは…。それは都合がいい。(^_^)
英語が通じるとわかって
ボクの気持ちは泊まるほうに大きく傾いた。

コーヒーを飲みながら部屋代を聞いたら200フランだった。
即、部屋を見せてもらうことにした。
田舎のホテルにありがちな、アンティークムード漂う部屋。
ベッドも、いかにもフランスの安宿的な
仰向けに寝ると猫背になりそうなものだった。
電話は…? と、見ると、ちゃんとしたのが備わっている。
ちょっと早いがチェックインした。


部屋の窓から見た湖。
湖の周囲に広がるのは
フランスのMassif Central
(中央高地)の山々。
この付近はまた
名水の産地でもある。


窓辺の椅子に座ると、遠くの森の下に湖面が見える。
立ち上がると、L字形の湖が屈曲する位置にいることがわかる。
向こうからこっちに向かって延びてきた湖は
眼下で大きく左にまわり込んでいる。
身を乗り出すと、崖とホテルの建物のわずかな隙間に
クレイのテニスコートと小さなプールが見えた。
外はまだ、昼間のように明るい。
プールのまわりに植えられたマリーゴールドの黄色とオレンジが
午後の斜光線に浮かび上がっていた。

トゥールーズやリヨンにあるTYMPASのアクセスポイント経由で
日本のニフティサーブにアクセスしたり
ホテルのまわりをうろうろ散歩して
夕食までの時間をすごした。
アテもなく、朝から晩までクルマで突っ走るだけじゃなく
たまにはこういうリゾート地でゆっくりするのもいいものだ。

午後8時半、レストランに入った。
稲荷寿司のおかげで、そんなに腹は減っていなかったので
軽い食事にしたかった。
メニューを見ると、80フランで
メインディッシュが1皿のコースがあった。
迷わずそれにした。飲み物は、例によって地元のワインだ。
いつも、これを頼むのに苦労する。
「ヴァイン アウス ディーザーゲーゲント ビッテ」で
ドイツでは通じるが
フランスでは何と言うのか忘れてしまった。
試しに「ローカルワイン プリーズ」と言うと
「White one or red one?」と聞き返された。
ウェイトレスのお姉さんは、ボクより英語が達者だった。