56 またもオーバーブッキング

レースが終わってわれわれが向かったのは
またしても中華料理店だった。
もういい加減うんざりしていたが
たいていはカメラマンの先生がたのうち
どなたかのおごりなので
いっしょに行かないテはない。(^_^;
またもや同じような料理と同じようなデザート食べ
午後10時頃にようやく出発することになった。
6月末のオランダでは、ようやく日が暮れる時間である。

明朝スキポールからニースに帰るiさんと
日本に帰る某誌のライター・S嬢
それに、翌週のヨーロッパGPの取材を経てフランクフルトまで
ずっといっしょに移動するWさんを乗せ
3日前にiさんを迎えに行ったのと同じ
アフスルイトダイク経由のルートでスキポールに向かう。
泊まりは全員、スキポール空港横のHotel ibisだ。


アッセンからの帰りも
いったんグローニンゲンに出て
[A7-E22](締め切り堤防)経由で
アムステルダムに向かった。
予約していたホテルは
空港のすぐ近くにある
ibis Amsterdam Airport。
イヤな目には会っても
とりあえず便利なので
未だにアムステルダムの常宿だ。


アウトバーンをゆっくり飛ばし
ホテルに着いたら11時半を過ぎていた。
4人とも重い荷物をゴロゴロ転がしてチェックインしようとしたら
「部屋はないから他のホテルへ案内する」との返事。
ドイツGP後のシャルルドゴール横のibisに次いで2度目である。
カウンター内の会話をちらっと聞いたところでは
どうやらプルマンに泊めてくれるらしい。(^_^)

しかし、予約のときにクレジットカードを呈示し
どんなに遅く到着しても部屋を確保し
不泊の場合でも料金を引き落とせるようにデポジットしたから
これは明らかな契約違反。抗議しておかねばならない。
「バカヤロー! オレたちはちゃんとここに来て予約したんだぜ!」
「クレジットカードのギャランティーは何のためなんだ?」
「これが予約を受けたヤツの名刺だ。コイツを呼べ」

ボクとWさんが口々に抗議するが
プルマンと聞いてしまったから、イマイチ元気がない。
iさんの「どこでもいいから早く行こうぜ」の言葉に促され
ホテル側が用意したリムジンの後について
プルマンに向かうことになった。
ibisから、そう遠くないところにプルマンはあった。
ACCORグループのホテルの中では
ibis、ARCADEの上がNOVOTEL、ALTEA、mercureで
その上がソフィテルとプルマンだから
一気に2ランク上へグレードアップしたわけだ。

レセプションで
ibisの1泊ぶん以上の金を払わなくていいことを確認し
ボクとWさんがツインの
iさんとS嬢がそれぞれシングルのキーを受け取ったとき
時刻はすでに午前1時を過ぎていた。
部屋に入ってみると、そこは期待したほど豪華でも清潔でもなく
明らかに安い部屋に回されたという感じだった。

翌朝起きると、iさんとS嬢は
どちらも早朝のフライトだったので
すでにチェックアウトしていた。
ボクとWさんは、これから5日かけてバルセロナへ移動する。
ダッチTT=オランダGPの次のレースは
バルセロナ近郊のカタルーニャサーキットで開かれる
シリーズ第8戦・ヨーロッパGPだ。
決勝日は7月4日。ダッチTTの8日後だから
6月13日のドイツGP〜6月26日のダッチTT間ほどの余裕はない。

“さて、どこを通って行きましょう…”
われわれは終了ぎりぎりの午前10時に滑り込んだ食堂で
遅い朝食をとりながら、これから5日間のルートを考えた。
食べ物の好み以外、Wさんとは意見が合う。
シャモニーにいるWさんの大先輩・M先生を訪ねるのもいいし
アンドラへ買い物に行くのも楽しそう。
“じゃ、両方行きましょう!”ってことになって
われわれはアムステルダム→フランクフルト→
バーゼル→ベルン→ローザンヌを経て
シャモニーまで行き、そこで2泊してからアンドラに向かい
1泊してからカタルーニャサーキット入りすることにした。