XJ900の爽快チューン
2008年6月6日 - 制振を中断し、防振に取り組んだ途中経過   
     
シートもけっこう振動していたので、フレームやタンクと接触する部分の当り具合を変えてみた。左がSTD、右がテスト中。
底板と一体整形された突起が荷重の一部を支える構造だが、当りが弱く微妙な接触状態もビビりの一因かもしれない。
上の写真の3本の突起を削り落として平らにし、厚めのスポンジシートを貼り、圧縮された状態で全面当りになるようにした。
 外側2気筒と内側2気筒でキャブレターセッティングを変えた、燃焼圧力のバラつき低減による制振には一定の効果があった。気になる振動の出る回転域が狭くなり、波形がスムーズになり、運転状況によってはほとんど気にならないこともある…という程度には収まってきた。
 続いて他の振動の原因を考えてみた。5月18日に書いたように、シートやタンクなどから体に伝わる振動周波数は 55〜110Hz間の下寄りだ。並列4気筒エンジンで問題になる2次慣性力による振動周波数は 4000rpmのときには 133Hzであり、上記の周波数の範囲から外れている。
 ところが、2次慣性力による振動が何かを振動させている(パラメーター励振)とすれば、 133Hzの半分の67Hzあたりにピークが現われても不思議ではない。これは 55〜110Hzの間という体感に当てはまる。
 エンジンブロックか、フレーム単体か、あるいは車体全体か。とにかく、ピストン&クランク機構とつながった何物かの固有振動数が67Hzあたりにあるのだろう。残念ながらそれを特定する術はなく、仮に特定できたとしても共振しないようにするのは非常に困難に違いない。

 …というわけで、このあたりで制振を中断して防振、つまり、振動が体に伝わらないようにする方策をあれこれと考え、試してみた。
 今はまだ途中経過でしかなく、いつまでたっても終わらない可能性も濃厚だが、これまでのところ、防振に効果があった試み/なかった試みは以下のとおりである。
■絶大な効果あり:
1)シート裏面の、フレームやタンクに接触している部分と接触する可能性のある部分すべてにスポンジシートを貼り、シートを取り付けるとスポンジが圧縮され、かつ広い面でフレームやタンクに接触するようにした。シートに関しては、これで満足できるレベルまで振動が低減した。
■明らかな効果あり:
1)エンジンマウントボルトをすべて緩めた状態で、スタンドをかけずに車体を直立させ、マウントボルトの締めつけ力を受けるフレーム側当り面とクランクケース側当り面の間に生じるすべての隙間にシムを入れ、締めつけ力によってフレームに曲げ応力がかからないようにした。
2)(前2+後ろ1)×左右のエンジンマウントのうち、前の上側を左右とも外した。ただ、下側クランクケ

ースだけがフレームに支持された状態になるのは良いとして、車体剛性が落ちる恐れがあり、見た目にも不安なので、外した前の上側マウントを復活させたうえで、ボルトが抜けない程度の弱い力で締めつけた。
3)硬化の疑いがあるタンク後部下側のダンパーラバーを撤去し、代わりに半球形のゴム足(ホームセンターで買った家具類や電化製品の防振用のもの)を左右各2個貼り付け、タンクを正規に取り付けるとゴム足が圧縮された状態になるようにした。
4)サイドカバーと周辺パーツの間の隙間にスポンジシートを貼り付け、圧縮状態で固定されるようにした。
■ほとんど効果なし:
1)ステップラバーを新品に交換。
2)硬化したステップ取り付け部のダンパーラバーに、軸方向にドリルで穴を開けて柔らかくしてみた。
3)上に書いたドリル穴にハンダの丸棒を押し込み、動きすぎを抑止。
4)さらに、横方向から3mm厚のゴムワッシャを当て、大径の金属ワッシ
ャ+取り付けボルトで押しつけた。
 以上のとおり、走行中に体に触れる部分で気になる振動が残っているのはステップのみになったが、その防振はかなりの難関のようだ。
タンク後部下側マウント部のダンパーラバー。硬化していたので取り外し、代わりに半球形のゴム足を左右各2個入れてみた。
ステップのマウントラバーは、軸方向に穴を開けたり、その穴にハンダの丸棒を入れたりしているが、どれもほとんど変化なし。
ステップ取り付けボルトの首下に入れた大径のワッシャで、横方向から円形のゴムを押しつけたが、これもほとんど効果なし。


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