XJ900の爽快チューン
2009年5月23日 - 変態ならぬ爽快オヤジツーリングレーザーテックの特性を十全に把握
     
集合場所となった名阪国道の針テラスにて。GX750からXJR1200まで、オーナーも含め“ヤマハスポーツ旧世代”だ。
リングで距離を伸ばせば気にならなくなるかどうか…という、もうひとつの興味については、距離が伸びるほど、タイヤのことを忘れていられる時間が長くなることがわかった。
 とくにその傾向は、速度が高いほど顕著で、当日朝、一人で思いきりすっ飛ばした(タイヤのことなど考える余裕がなかった)40kmあまりの区間では、クセがなく、安定感と軽快感がうまく調和した、優等生的タイヤなのだと思い知らされた。
 中低速コーナーでは、舵角のつき方に大差があるが、あのスポーツデ
ーモンでさえあまり舵角がつかないような状況では、両者の差は小さく感じられ、寝かさないと曲がらない
…というレーザーテックの(私にと
っての)問題も全然気にならない。
 高い速度を保ったまま、小さめのリーンアングルでコーナリング中に
 5月の変態オヤジツーリング(どうやら私の知らぬ間に月例化したよ
事前の準備が前回ほど整っていなか
ったことだろう。下見にも行かず、
うだ)は、いつもと大いに勝手が違
った。まず、前回の大成功に気を良くするどころか恐れをなした私が、勝って兜の緒を締めすぎたのが尾を引いて、事前の盛り上がりに欠けていたことと、当初予定の16日が雨で流れ、延期になったこと。
 そして、自分で走ったことのない道をルートに含めていたこと。さらに、去年の夏の事故から復帰したばかりのニャン太ママさんが参加されること。 まだある。XJ900のタイヤだ。過去6セット、合計61,000kmにわたって使い続けたピレリ・スポーツデーモンではなく、去年の秋の短距離テスト後に保存していたメッツラー・レーザーテックに交換していたことだ。これほど多くの条件がいつもと異なれば、変態オヤジツーリングではなく爽快ツーリングと呼びたくなっても不思議ではない。
ルートマップも作らず、シミュレーションもしなかった。いくら仲間うちの朝練の発展型とはいえ、それなりに定着したイベントになりつつあり、楽しみにしてくれている人も増えてきているのだから、このあたりで再度、どうすればもっとみんなで楽しめるツーリングにできるか…といったことを考え直したい。
 一方、このツーリングでの個人的興味の中心だったメッツラー・レーザーテックの印象は、やはり、以前と変わらず、舵角よりもリーンアングルで旋回し、Uターンが安定して楽に(今回はこの特性に大いに助けられた)でき、高速走行時には安定感よりも軽快感ベースの直進性の良さが印象的…といった感じである。
 このところ 私のXJ900の標準タイヤとなっていたピレリ・スポーツデ
ーモンと比べて気になる点が、ツー
ギャップを拾ったような場合に、以前はレーザーテックのほうがホイールのバタつきを感じやすかったのだが、その傾向が、わずかに残っているとはいえ、かなり解消しているのは、このところのフロントフォークの作動性向上とダンパーセッティングの進化によるものだろう。
 ただ、復路の峠道などでは、やはり、スポーツデーモンよりもうんと地面が近く感じられ、寝かさないと曲がらない性格は不変である。
 ただ、その特徴を知り、早めにブレーキをリリースして舵角の自由度を高めてやる…といったスポーツデ
ーモン流ではなく、アウト側でタメを作らず、早めにす〜っとインに向かって倒し込んでいく(悪く言うとメリハリがない)ようにすれば持ち味を生かせるということも、今回のツーリングではっきりした。
 ルートは、名阪国道・針IC併設の針テラスを出発し、隣の小倉ICから広域濃度や県道をつないで伊勢街道(国道166号)に出、 高見トンネルを抜けて三重県に入り、松阪の手前で折り返して奈良県御杖村の道の駅まで走って昼食。そして帰路は、伊勢本街道〜県道〜広域農道で小倉IC経由針テラスまでという、そこそこ走りごたえのあるものだった。
 しかし今回は、店開きと交換試乗がなく、道の駅でしっかり定食を食べた後、近所にある天然酵母パン&
Cafeファミリエ
に移り、のどかな山あいの午後のひとときを、珍しく、バイクが見えない状態でゆっくりと過ごす…という“爽快ツーリングと呼ぶにふさわしいものだった。
 反省点があるとすれば、やはり、
御杖村でお会いしたドゥカティ・450デスモとそのオーナー。70歳。またひとり、素晴らしき先輩と知りあうことができた。


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