XJ900の爽快チューン
2009年6月6日 - 和歌山利宏のライテクコーチングに参加XJ900では初のサーキット走行
     
私のXJ900に乗り、8の字コースを走る和歌山さん。派手さはまったくないが、どんなマシンも従順に彼の言うことを聞くようだ。
でき、結果として細やかなマシンの姿勢制御ができるとわかった。
 8の字特訓のあとは、上級/中級/初心者の3つのクラスに別れ、それぞれ20分ずつ、1時間に1回走行できる(通常の参加者は20分×7回走行可能)ラ・パラの時間割に合わせ、初心者クラスを2本走った。うち1本はCB400SFに乗る和歌山さんに先導してもらい、無理のないスムーズなラインどりの参考になった。
 前夜に交換したインナーチューブと、このところ煮詰めてきたフロントフォークのセッティングについて和歌山教授に「OW81(私が現役メカだった最後の年のYZR500)より動きええと思うんやけど、どう?」と聞くと、ブレーキをかけたままフロントを伸縮させてみた教授の返事は、「なるほど、ほんまや。メチャ動きええなあ。そやけど、これでまた動きすぎの問題出てそうやなあ…」であり、実際、8の字コースで試乗してもらった結果も、やはり、入りすぎと動きすぎが感じられる…という予想どおりのものだった。
 だが、 その気になれば180km/hまで出る表の直線から1コーナーへの進入をはじめ、サーキットの各所での激しいブレーキングでは、まったく破綻することなくしっかり荷重を受け止めつつ良好に作動しており、街乗りでは感じたことのない“タイヤがしっかり変形しながら路面に食いついている感触”を体感しつつ、もっと握れるぞ…、このままもっと寝かせても大丈夫だぞ…と、予想外のポテンシャルの高さに驚いた。
 この走りの後のフォークの残りストロークは約10mm。まずまずのセンである。コーナリングはともかく、ブレーキングにおいては、これ以上やると初心者クラスでは少々危険な気がしたので、前後のタイヤをピレリ・スポーツデーモンに替え、もう少し低速作動域でのフォークセッテ
ィングが煮詰まったところで、次はラ・パラの中級クラスを走り、セッティングの確認とライディングの練習を続けたいと思っている。
 1カ月ほど前、和歌山さんから電話があった。鈴鹿ツインサーキット
で開催されている“ラ・パラ”という名の走行会の併催イベントとして
“ライテクコーチング”というのをやっているから、それの取材に来ないか…という話だった。
 彼が現役ライダーだった頃からのファンで、ジャーナリストに転身してからの著作を読み漁り、最近では彼の“2軸理論”に痛く賛同する私が、この誘いを断るわけがない。話は即座にまとまり、6月6日、今年2回目の“ライテクコーチング”に参加し、体験記を書くことになった。
 当日朝8時の受け付け開始に合わせて自走で現地入り。1回あたりの受講生の定員は6名で、この日の受講生は私以外に5名。ラ・パラの一般参加者と区別するために“和歌山隊”と呼ばれる受講者は、9時からピット上の教室にて座学を受ける。
 この“座学”は、予想と大いに異なっていた。難解な理論が出てこないだけでなく、スロットルワーク/ブレーキング/ラインどり…といった、おおよそ普通のライテク談議に出てきそうな要素はまったく登場せず、11時までの2時間にわたって、ただひたすら歩き方(ステップワーク)の指導を受け、練習をしていた

…と言えばいいだろうか。
 外足/内足、外旋/内旋、骨盤の傾斜…といった言葉が飛び交う教室は、ライテクというよりは、スポーツドクターのカウンセリング、あるいは整形外科のリハビリ療法といった感じで、座学(ちっとも椅子に座
っていないから、この表現はふさわしくないのだが…)の時間が終わる頃には、全員、和歌山流2軸歩きをマスターしていた。
 続いて、昼食を挟んで2時間は、パドックの片隅に立てた2本のパイロンを使った8の字走行トレーニングだ。2人ずつコースに入り、さきほどの“座学”で身につけたステップワークを実践する。受講者の走行を観察する和歌山さんの眼差しは真剣で、問題点を見つけると即座にストップをかけて指導する。
 私は最初、ここでも普段の街乗りと同じく“どっか”とシートに跨が
ったまま、さきほどのステップワークを試みていたのだが、それではうまくいかず、ときには外足がステップから離れてしまう。そこを和歌山さんに目ざとく見つけられ、指摘されたので、以後、切り返しでは尻を浮かせ、ロール方向に積極的に体重移動をするようにしたら、実はこのほうが足も手も自在に動かすことが


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