XJ900の爽快チューン
2010年10月8日 - イグナイターユニットは二重フローティングマウントにして防振を徹底   
     
「たいそうなやっちゃ」の声が聞こえてきそうな、イグナイターユニットのマウント。だが、防振はともかく、工具を使わず簡単に脱着できるシカケを、金と時間をかけず&待ってられないイラチな気持ちを抑えずに、手持ちの材料と道具で作ろうとすると、このあたりが限度。気分は1970年代のワークスマシンである(笑)。
 オイルクーラー撤去跡に8個のSSRのうち 5個マウントすることに決めたので、こちら側(シート下)には
3個で済み、 当初の予定よりもエアクリーナーボックス〜サイドカバー間のスペースに余裕ができた。
 そこで、横倒しにして積もうと思
っていたイグナイターユニット(ASウオタニのSPIIフルパワーキット)を起してマウントすることにした。こうすれば、レブリミット/進角度数の調整ダイアルを、最も調整しやすい位置にすることができる。
 おまけに、横倒しだと手前(車体外側)に突き出した格好になる大きなコネクターと配線を上方向に逃が

すことができるうえ、奥行き(車体の内〜外方向)に生じたスペースを使って厚手の緩衝材が使える。
 これだけ余裕があると、凝りたい放題である(笑)。で、前からやってみたいと思っていた二重フローティング構造を採り入れることにした。イグナイターユニットの筐体を緩衝材で囲って箱に入れたうえで、その箱をラバーマウントする方式だ。
 ここまでしなくても大丈夫なのはわかっている。SPIIユーザーの多くは、シート下やテールカウル内の荷物スペースの壁や床に、ベルクロ/両面テープ/タイラップなどで固定しているにもかかわらず、振動が原

因で壊れたという話は聞かない。
 だから今回は(今回も?)防振を言いわけに、凝った工作をしたい欲求を満たしただけかもしれない。
 起してマウントすると決めたと同時に、イグナイターユニットを箱に留めるためにはOリングまたはゴムバンドを使い、箱をフレームに留めるためにはクイックファスナーまたはクリップを使いたくなった。
 これらの選択肢の中から、平らな面を押さえるにはOリングよりもゴムバンドが良さそうなのでゴムバンドを、手持ちの材料でいけそうだという理由でクリップを選んだ。
 ネジ箱をひっくり返してみると、
枠組みはアルミのアングル。縦の柱は上下を樹脂製サドルでフレームに固定し、上側の左ステーはフェンダーにリベット留め。下側の梁の左端は、カラーを介してブラケットに取りつけ、そのブラケットをリアブレーキマスター取りつけボルトで共締めする。
レーサーのカウリングのマウントに使うスリーブ(カウリングビス用のメネジとクリップ用の穴が加工された樹脂パーツ)が出てきた。
 見た途端に、少々無理をしてでもこれを使うと決め、これに合わせて各部の構造を決定した。スムーズに製作できるかどうかの決め手は、スリーブを差し込むシャフトが簡単に作れるかどうかにかかっている。
 スリーブの内径を測ってみると12
mmだった。捨てるほどある10mmのカラーとは異なり、12mmなんてのはなさそうだ。う〜む、M12のボルトの円筒部を使うか、どこかにワンオフで作ってもらうか、いずれにしても

メンドクサいことになってきた。
 ところが、ふとガレージ内を見わたすと、もっちゃんにもらったアルミの肉厚丸パイプが見えた。直径12
mmの“短い”シャフトという先入観のせいで、全長30cmほどあるこのパイプの存在は、すっかり意識の外に追いやってしまっていたようだ。
 あまり期待せずに外形を測ってみると、何と12mmではないか! またしても、もっちゃんGood Job(笑)。
内径は8mmだと知っていたので、 リコイルを入れてM8ボルトを(M6がベターだが贅沢は言わない)ねじ込めば、スリーブを差し込むためのシャフトは容易に自作できる。

 ここまで決まれば、あとは各部の“取り合い”を考えながら、慎重に寸法を決め、アルミのアングルや板材を切ったり接いだりするだけだ
った。最後まで決まらなかった上側の押さえ板は、上に突き出した側板に小さな横向きアングルをリベット留めして、とりあえずやっつけた。
 だが、これを書きながら、もっとスマートな方法を思いついたので、明日あたり、この部分のみ作り直そうと思っている。脱着してみた感触は非常に良く、スリーブは、するり
〜ぴたりと所定の位置に嵌まり、クリップはパチッ…と、気持ちよく刺さる。う〜む、満足である(笑)。
2mm厚のアルミ板にアングルをリベット留めした簡素な作り。下の突起はM6ネジ+カラーを厚さ3mmのスクエアナットで固定。
カウル用スリーブはグロメットを介して取りつけ。バンドの輪を引っかける部分とその下の突起の形状に深い意味はない(笑)。
(左)アングルに挟まれた狭い隙間で脱着できるよう、クリップの先端(曲線側)を短くカット。切り口は半球形にヤスリ仕上げ。


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