XJ900の爽快チューン
2011年1月26日 - ブレーキスイッチ/クラッチスイッチなどに近接センサーを使う試み   
     
近接スイッチ(S/W)の漏れ電流によりSSRの制御側がONになるのを防ぐために、IN+とGNDの間に抵抗を付加してみた。オムロンの近接スイッチE2S-W21。ボールペンは大きさの比較用。小型なうえにリード線一体型であり、使い勝手は良い。
 スイッチをどうするか…。今回の電装系改造を始めてから、いや、始める前からずっと、考えているような考えていないような…要は、何とかしたいとは思いつつ、メンドクサいから、深く考えることなくここまで来てしまったというわけだ。
 だが、もう避けては通れず、フロントブレーキスイッチ/リアブレーキスイッチ/クラッチスイッチの3点をどうするかを真剣に考えた。
 ちなみに、改造着手前は、フロントはベルリンガーのマスターシリンダー附属のスイッチ、リアがヤマハ純正のスイッチ、クラッチはレバーホルダーを変更したときに撤去したまま(始動安全装置も機能していなかった)といった状態だった。
 ベルリンガー附属のスイッチは、27W球×2のストップランプに流れる電流を直接開閉するには明らかに容量不足で、接点の焼損が頻発した。
 そこで、ごく一般的な電磁石式のDCリレーを用い、ベルリンガーのスイッチにはリレーのオン/オフに必要な電流だけ流すという対策を講じていた。その効果はてきめんで、毎週のように分解掃除が必要だったブレーキスイッチが1年以上ノーメンテナンスで済むようになった。
 このときに、機械式スイッチの接点というのは、開閉する電流が小さいほど長持ちする…ということを痛感し、主要な負荷への給電をすべて SSR化したくなったのが、 今回の電装系改造の主な動機である。
 SSRの駆動に必要な電流は、ETAのE-1048-8Cの場合、 最大10ミリアンペアにすぎない。 LEDのウェッジ球よりも小電流で済むのだ。

 で、スイッチをどうするかを真剣に考えている途中で、機械式スイッチではなく近接センサーを使ってみたくなった。オムロンのウェブサイトで調べたところ、 E2S-W21というおあつらえ向きの製品があった。
 小さく、軽く、回路構成が容易な2線式で、IP67の防塵防水構造で、おまけに接近〜離反する物体だけでなく、検出面を横切る方向に動く物体を検出してスイッチングできる。いずれも、私の使用目的に照らし合わせて、理想的な特徴といえる。
 とくに、最後の“検出面を横切る物体でスイッチングできる”というのは、レバーやペダルが接近してオンになった後、さらにストロークしたときの“逃げ”をどうするか…といった問題から開放してくれる、非常にありがたい特徴という他ない。
 オムロンのウェブサイトからリンクしたオムロンFAストアで注文したE2S-W21が今日届いたので、 さっそくSSR(E-1048-8C)との組み合わせをテストしてみたところ、一発ではうまくいかなかった。
 原因はいくつか考えられた。中でも、2線式電子スイッチにつきものの漏れ電流によって SSRがオンにな
ってしまっている…というのが最も疑わしかった。スペックを調べるとE2S-W21の漏れ電流は0.8ミリアンペア以下。 これに対してE-1048-8Cの作動電流は 1〜10ミリアンペアである。だが、これは感度を表す数値ではなさそうで、実際には1ミリアンペア以下でオンになってしまっているのではなかろうか。
 これ以上考えるのは電気が苦手の私には荷が重い。で、困ったときの

マイスターかわぐちさん…というわけで、またしても電話で助けを乞うた。詳しい会話の内容は、ほとんど忘れてしまったので(笑)、ここには書けない。ただ「抵抗を、スイッチから見てSSRと並列に入れて、SSRに流れる電流を減らしてあげるといいかもしれませんね」のフレーズだけはしっかり覚えている。
 抵抗ったって、そんなもんウチにあるわけはなく「マルツパーツ館に行ったら、なんぼでもありまっせ」と言われたところで、夜遅くになって“いますぐ確かめたい”私に明日まで待てというのは無理な話。今ある物で何とかならないか…と考えてTPSの利用を思いついた。
 使うアテのないXJR1200用 BS36キ
ャブから TPS(可変抵抗)を外して抵抗値を測ってみると、0.2〜5キロオームだった。どの程度の値がいいのか見当がつかないまま、とりあえず SSRの制御側に並列に入れてテストしてみると…うまくいった!
 試しにTPSの軸を回転させ、0.2キロオームあたりまで抵抗を減らしても、5キロオームのときと変わらずうまくいく。これには少々疑問を感じつつも、実用化のメドは立った。
 あとは、どこに近接スイッチを取りつけ、どうやってオン/オフさせるかである。が、そんなのは、苦手な電気のことを考えるよりははるかに簡単で、もうすでにラフスケッチは描いた。ただ、作業前に、抵抗値を決めて抵抗を買わねばならず、これとは別に、もう少し検討したい別案もあるので、実際に近接スイッチの取りつけ作業を始めるのは週末以降になりそうである。
SSRの全数チェックのときと同様、端子台を用いて結線し、いろんな配列を試した。下に見える黒い物体がTPSである。左の写真の左端にある近接スイッチの検出面に金属片を接近(非接触)させ、ONにした状態。緑色のLEDが点灯する。


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