XJ900の爽快チューン
2011年9月19日 - 世界GP参戦50周年記念展開催中のヤマハCPを訪問   
     
鳥羽港でのオートバイの積み込みは、ほぼ1台に1人の割で係員がつき、毛布とタイダウンを使ってテキパキと固定していく。
この日に合わせて50周年カラーのカウルを装着した、ごんべえさんのYZF-R1。T-MAX限定車の“50”エンブレムも貼っていた。
お気に入りの2004年型YZR-M1を撮影中の“もっちゃん”。展示物より、もっちゃんの動きを見るほうが面白かったとの説あり。
 土日に休みが取れない“もっちゃん”が企画するツーリングだから、開催日は月曜祝日。最初に計画していた7月18日が 台風の影響で流れた後、2カ月ぶりに実現した。
 目的地は、 WGP参戦50周年記念特別展“世界グランプリへの挑戦”パ
ート3を開催中のヤマハ・コミュニケーションプラザ(CP)である。
 CPに行くなら、2年半前と同じく往路に伊勢湾フェリー(鳥羽〜伊良湖)を使いたい私がワガママを押し通し、関西方面のメンバーが集まりやすい名阪国道上野東IC付近をフェリー組の集合場所に決めた。
 ここに出発予定の6:30までに集ま
ったのは、バイク7台とクルマ1台。クルマの主は、 電装いじり中のBMW
R100CSでの参加を見合わせたokaken
さん
。愛車のコペンで陸路CPに向かい、現地で再合流することに…。
 バイク組の陣容は、もっちゃんのHDスポーツスター、ごんべえさんのYZF-R1、 kei-1さんのBMW R1100S、あおべえさんのBMW R1200ST、 箱付きさんのHDスポーツスター、そしてウチで前泊し、私といっしょに集合場所に駆けつけた“ひさはん”こと久谷御大のBMW R100Sである。

 上野東を6:30に出て、鳥羽発9:20のフェリーに乗るのは“けっこうギリギリのスケジュールですよ…”との事前の脅しが効いたのか、遅刻者はなく、このテのツーリングには珍しく定刻に集合場所を出発できた。
 国道422号を南下した後、 伊賀神戸からは165号を東へ。 伊勢自動車道には乗らず、久居ICを素通りして国道23号に入る。ここまでの所要時間は約50分。もっちゃんが1週間前に単独で下見をしたときの所要時間より10分ほど多いだけである。
 このペースならフェリーに乗り遅れる心配はない。ここから先は2年半前のような3倍速に達する激走は控え、安全かつ平和で、ちょっぴり速い巡行速度を保って伊勢市へ、そして42号で鳥羽へと向かう。
 鳥羽のフェリーターミナルには、8:30頃に到着。 750cc以上の自動二輪の航送料金(運転者の乗船料を含む)4000円を払い、ターミナル内の喫茶店で朝食を食べつつ、伊良湖からやって来る船の接岸を待った。
 のんびりしたイメージのある船の旅とはいえ、ここでの積み降ろしのスケジュールは非常にタイトで、積んできたクルマとバイクを全部降ろ

し、待っていたバイクとクルマを全部積むのに15分もかからない。
 船は定刻どおりに出航し、雲ひとつない快晴の空の下、おだやかな伊勢湾口の海面を進む。台風が近づいているとか、午後から雨が降るなんてのは、どこか異国の天気予報じゃないの…といった感じである。
 55分の心地よい船旅は、あっという間に終わり、 定刻の10:15に伊良湖着。桟橋を通って一般道に出たところでXS1100 Specialに乗るXS1100さんが待っていた。ここから磐田のCPまでの 約90kmを1時間45分で走るという予定は、けっこうタイトである。途中休憩なしでギリギリといった感じなので、初対面にもかかわらず、XS1100さんとは簡単に挨拶をしただけで、すぐに出発した。
 総勢8台になったツーリング部隊は、国道42号〜潮見バイパス〜浜名バイパス〜浜松バイパス〜 国道150号…と快走し、予定より10分遅れの12:10にCPに到着。 南からアプローチしているのに、磐田市内で道を間違え、国道1号を2回横切るという失敗がなければ、オンタイムだったはず。これにはだれも気づいていないようなのでナイショにしておいた。
展示物中、私が最も興味をひかれた2010年型YZR-M1のエンジン。全面ガラス張りなので、このまわりを何度も周回した。中でも、最も注意深く観察したのは、クランクケースの強制減圧メカニズム。ブリーザー取り出し部の形状に目を奪われた。
 現地集合組のほうは、みなさんすでに到着し、それぞれCP館内を見学中だった。okakenさん、とべない豚さんの他は全員バイクだ。モトランド三澤三澤さんを含む静岡・神奈川組の5人が5台のXJ750Eで、岐阜から神奈川に愛車を陸送中のYajiさんもXJ750E、帰路はYajiさんと同行予定のooさんが BMW(機種不明)で、岡崎からはkentaさんがRZV500Rで、そしてもうひとり、スペシャルゲストの和歌山利宏さんがトリッカーで集まった。フェリー組+XS1100さんの8台と合わせた17台のラインアップを見るだけで、ただならぬ面々であることがおわかりいただけよう。
 この19人に、もうひとりのスペシ
ャルゲスト(スペシャルホスト?)であるヤマハの北川成人さんを加えた20人が一堂に会して、まずはCPの3階にあるプラザカフェで昼食。別名“CP襲撃ツアー”の御一行様らしく(笑)、YZR-M1マニアのもっちゃんと、XJ750Eでレースをする三澤さんが北川さんを包囲し、M1やXJ750Rについて、鋭い質問を浴びせかける。
 和歌山さんの周りでは、以前、正月に実家に帰省された和歌山さんをつかまえて大津で昼会をしたときの

メンバーが陣どり、和やかな雰囲気でバイク談議に花を咲かせている。
 私はといえば、初対面の静岡・神奈川組の方々とあいさつするのがや
っとという情けないありさまで、ここでの進行役をしなければならないはずだったのに、それらしきことが何もできない居心地の悪さを感じていた(笑)。お会いしてゆっくり話をしたいと前から思っていた愛鷹技研さんとも、挨拶以上の内容のある話ができなかったのが悔やまれる。
 食事に続いて、いよいよこの日のメインイベント、特別展の見学である。図々しくお願いはしたわけではないが、薄々期待していた(それを図々しいって言うのかも)とおり、北川さんがガイド役をしてくださった。いや、ひょっとすると、ガイドするふうを装って、不審な御一行様が展示車両に悪さをしないように監視されていたのかもしれない(笑)。
 2000年のプロトタイプにはじまり2003〜2011モデルのYZR-M1が勢揃いしたゴージャスな展示室に入り、も
っちゃんの質問攻めはさらにエスカレート。その場に居ては危険と感じた私は(笑)、帰りじたくを始めた静岡・神奈川組といっしょに表に出て

5人の“濃ゆ〜い”XJ750Eライダーを前に、 XJ900のストリップショーを披露した。彼ら5人の、それぞれ異なる色に塗られた5台のXJ750Eは離れた駐車場に停めてあり、拝見できなかったのが心残りである。
 静岡・神奈川組の出発を見送った私が展示室に戻ってもまだ、もっち
ゃんをはじめとする 関西勢+kentaさんの見学は続いていた。いつの間にか、CP館長の伊藤太一さんにもお出ましいただき、最後まで残った関西勢9人+和歌山さんと、北川さん
+伊藤さんの12人で、近くにいた一般見学者の方にシャッターをお願いして記念写真を撮影してもらい、超スペシャルな特別展見学を終えた。
 だが、これで「はいさようなら」と、簡単に行かないのは、いつものどこにでもあるバイク仲間の集まりと同じ。CPの玄関前に停めた7台のフェリー組の愛車を前に、あ〜だこ〜だとバイク談議が始まり、 XJ900には北川チェックが入り、最後に、トリッカーに跨がった和歌山さんの「よっしゃ、オレが磐田インターまで先導したる…」を合図に、ようやくCPをあとにして復路のツーリングがスタートしたのである。
関西勢9人と和歌山さん、そして館長の伊藤さんとスペシャルホストの北川さん。過分のおもてなし、ありがとうございました。
 和歌山さんの先導ルートは、岩井ICから1区間だけ国道1号磐田バイパスに乗り、見付ICで降り、すぐ北にある磐田ICから東名に入る…というものだった。が、見付ICの出口を見落とし、直後に気がつき、磐田バイパス上で9台のバイクが一斉にUタ
ーン(笑)。反対車線の出口から出てロスタイムを最小限に抑えた。
 結局、和歌山さんとは磐田バイパスを出たところで別れ、関西勢+記念写真には写っていないが館内に残っていたkentaさんの8人で東名高速を西に向かうことになった。
 気持ちよく走れたのは浜名湖SAあたりまでで、そこから先は、連休の最終日だからか、激しく渋滞しており、危なくないと思える箇所では2列に並んだクルマの間を、危ない=
緊急避難に該当すると思える箇所では路肩を走行して先を急ぐ。
 岡崎ICで kentaさんと別れた後、渋滞はさらにヒドくなったが、それは豊田のジャンクションまでで、伊勢湾岸道に入ってからは、その気になればいくらでもスピードが出せるほど、道は空いていた。そして、スタート前の打ち合わせどおり、刈谷SAに入ったのは17時すぎだった。

 刈谷では、いろんな思惑が交錯した。風の強さと空の雲の流れからして、雨に降られずに帰れる可能性はほとんどないと言ってよい。だが、ウェザーリポートの雨雲レーダー画像に赤い点で表示されるような雨の中を走るのだけは避けたい。携帯でチェックすると、桑名あたりから南に向けて、海岸線に沿うように赤い点が並んでいる。降り出す前にここを出るのがいいか、赤=激しい雨をやり過ごしてから出るべきか、思案のしどころ。難しい判断である。
 結局、新名神に入る予定のもっち
ゃんと箱付きさんが先に刈谷SAを出て、残る5人(ひさはん以外は名阪国道に入る予定)があとから出た。
 刈谷から10分ほど走ったところで雨が降り出した。最初はパラパラだ
ったのに、 1kmも行かないうちに土砂降りになり、前がよく見えない。夜間の雨中高速走行は昼間の晴天の一般道と比べて何倍もの集中力を使うから、連続走行は危険…というわけで、次の長島SAに入って休憩。小降りになったのを見はからって走りだすも、東名阪に入ると再び雨足が激しくなり、御在所SAに避難した。
 電装系の大改造後、何度も雨に降

られたとはいえ、こんなに激しい雨の中を長時間走るのは初めてだ。トラブルが出るとすれば SSRの誤作動か…と思いながら走っていると、案の定、ヘッドライトのハイビーム用
SSRが ONになったまま復旧しなくなり、休憩時にヘッドライト(ハイ側の黄色い線)とハイビームインジケ
ーターへの給電ラインを端子台のところで外すという応急処置をした。
 御在所を出たのは20時頃で、新名神への分岐でひさはんと別れた後、残る4人は亀山から名阪国道へ。ここまで来ると、慣れも手伝い(笑)、けっこうなペースで名阪を疾走し、伊賀SAで休憩。その後、大内ICで本隊と別れた私は、ナイトランで通い慣れた大内ドライブインの駐車場に入り、残る30kmの単独走行に備えてゆっくりと英気を養い、 21:40頃、雨の中を家に向かって出発した。
 ハイビームが点かないので走りにくい以外の問題はなかったが、ここで何かあったら笑いもの(笑)。通い慣れた道をいつもの半分程度の速度に落とし、慎重に走りきり、 22:30頃、無事に自宅にたどりついた。
 この日の生々しい裏ボードのログ
を、記念に保存しておきたい(笑)。


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