XJ900の爽快チューン
2012年9月17日 - タイヤを交換し、湖畔の里から室生寺奥の“ろぐ空(からっぽ)”へ
     
 この日は久しぶりの月曜祝日。本来なら、夜会のメンバーと松阪に鰻を食べに行く“鰻ツー”の予定だった。それに合わせ、土曜日にタイヤを交換した。前後ともスペアホイールがあるから、ディスクの移植が必要とはいえ、作業には1時間もかからない。ダンロップ・ツーリングステーション@猪苗代に向かう前日の
8月23日にK300GPに交換後、 久々のスポーツデーモンへの換装だ。
 8月23日に履いたK300GPは、 その時点では前:1308/後:1321km走行という、まだまだ充分に使える物だ
ったにもかかわらず、2389kmのロングツーリングやら、その後のナイトランや朝練などで、前:4398/後:
4411kmに達していた。グリップの良さと引き換えに寿命の短いK300GPにとって、この数字はすでに“終わっている”距離と言える。ちなみに、2003〜05年に4セット連続で使ったK300GPは、 それぞれ 4707、4258、5605、4155kmで交換していた。
 ところが、外して保管していたスポーツデーモンのほうもまた、これまでの走行距離が 前:10378/後:
10365kmという末期的な物で、 気が進まなかったのは確かだ(笑)。ちなみに、過去7セットのスポーツデー

モンは 最短:8195、最長:15940、平均:10725kmで交換している。
 要するに、寿命末期のK300GPから寿命末期のスポーツデーモンに交換したわけである(笑)。気持ちよく走るためだけなら、ここで新品に交換するのがベストだ。しかし、どんなタイヤであれスリップサインがバッチリ出るまで使いたい私としては、寿命末期の物同士の比較もしておきたいし、ひとつ前のダイアリーに書いた問題点が“K300GPだから”なのか“タイヤが減っていたから”なのかを突き止めたい気持ちもある。
 タイヤの摩耗の進行とともに操安性が悪化していくのは、プロファイル(断面形状)の崩れとトレッドの薄肉化が2大要因だと考えられる。プロファイルが崩れると、リーンアングルの変化による接地面の移動がスムーズでなくなり、トレッドが薄くなると、外からの力を変形によって吸収する能力が低下する。
 加えて、中央部が平らに減ったタイヤだと、接地面が横に広がり、わずかな路面の凹凸や微小な車体の傾きでも接地面中心(接地面の中で最も大きな力を受ける部分)が横方向に大きく移動し、ライダーの意に反してハンドルが切れたり車体が傾く

といった現象が出やすくなる。
 接地面に幅がある以上、この現象は、どんなタイヤにも生じている。ただ、新しいタイヤの場合は、移動幅が小さいうえ、トレッドのゴムがうまくたわんでハンドリングへの悪影響を抑えてくれているのである。
 だからこそ、新しいタイヤによる“化粧”が落ちた“すっぴん”状態といえる今のうちに、できる範囲で最良の操安性を実現しておけば、次に新品タイヤを装着したときに、過去最良の、素晴らしいハンドリングのマシンになる…はずである。
 今回のスポーツデーモンは、2011年7月7日に交換した物で、そのときはまだ、今のキャブ&点火時期セッティングフロントフォークセッテ
ィング
も決まっておらず、おまけにリアショックはオーバーホール前の悲惨な状態だったから、これらすべてがきちんとした今の仕様のマシンに新品タイヤを組み合わせれば…と考えるだけでワクワクする(笑)。
 いくらケチの私でも、さすがに10月21日のダンロップ・ツーリングステーション@阿蘇に寿命末期のタイヤで行こうとは思わないから、おそらく10月中旬ごろには、とりあえずK300GPの新品に交換する予定だ。
広域農道から国道369伊勢本街道へ、さらに166伊勢街道へ抜ける、県道26号に面した川沿いに“ろぐ空”は建っている。
ろぐ空(からっぽ)県道に面した柵に打ちつけられた看板には“KARAPPO”の文字が…。ホームページへは下のURLをクリックして、どうぞ。
JR関西線・島ヶ原駅でひと休み。交換試乗したテレレバーの、スロットルオフでのショックが、なぜかこの日は気になった。
 前置きが長くなったが、せっかく鰻ツーに備えてタイヤを交換したのに、台風のせいで三重県の降水確率が異様に高く、前夜10時ごろになって鰻ツーの中止を決定。ところが、朝になってBBSを見ると、kei-1さんが“月ヶ瀬の湖畔の里に向かい、そこから近所の農道を走りに行く”てなことを書いているではないか。
 雨雲レーダーを見ると、かろうじて奈良県北部は降っていないようなので、昼までには帰宅するつもりで湖畔の里に向かって走りだした。月
ヶ瀬までのタイトターン高速コーナーで試してみたところ、タイトタ
ーンではK300GPよりも少々大回りになり、高速コーナーではK300GPよりフロントの内向性が弱いようだ。
 湖畔の里に着くと、 kei-1さん&あおべえさんのテレレバーコンビが停まっていたので「これからどこへ
…?」と聞くと、どうやら、農道
南端から、さらに南に行ったところにあるログハウスのカフェに行きたいようである。カフェと聞いて、私が反対するわけがない(笑)。
 月ヶ瀬から室生寺奥の竜穴神社までの農道は、走り慣れた道である。奈良のニュルブルクリンクと呼ぶ人もいる、適度なアップダウンと、小

さすぎず大きすぎないコーナーのある快走路だ。ここでは、K300GPよりもフロントブレーキの効きが甘いことと、握ったままコーナーに入るのが楽なことに気がついた。
 竜穴神社のT字路を右折して南に向かうこと数分、ふるさと元気村という看板を掲げた集落の外れに、真新しい大きなログハウスがあった。お店の名前は“ろぐ空”というらしい。空は「くう」ではなく「からっぽ」と読む。ゲートが金網で“通せんぼ”してあるから、まだ開店していないらしい。が、そんなことを気にするkei-1さんではない(笑)。
 かまわず道端の草地にバイクを停めてゴソゴソしていると、店の中から女性が現われ、金網を脇に避けてくれた。ついでに柵にフィンランド国旗を掲げ、開店である。その女性が店主なのは言われなくてもわかった。まったく予想も期待もしていなかった別嬪さん。しかも同年代くらいなので少々ドキドキした(笑)。
 kei-1さんは 何度めかの来訪らしく、勝手知ったる他人の家…とばかりに、靴を脱いでスリッパに履きかえ、ヘルメットを置いて席に着く。見よう見まねで、同じように、あおべえさんと私が席に着くやいなや、

kei-1さんが “モーニングセット”を注文。いきなりの無いもの買い攻撃にもかかわらず(笑)、例の女性は嫌な顔ひとつせず、さっそく準備にとりかかり、やがて運ばれてきたのは、思わず「うほ〜」と声をあげてしまう豪勢なプレートだった。
 そのモーニングセットをいただきながら、いろんな話をした中で印象的だったのは、バイクとライダーに非常に好意的かつ興味を持たれていることだ。最近になってブログも始められたらしく、そのあたりの好奇心とバイタリティが、あのお若さの秘訣なのだろう。最初、同い年くらいかな…と思ったのに、実際には○歳ほどお姉様だった…と、あとでわかったのは内緒である(笑)。
 居心地のよいログでゆっくりしているうちに雲行きが怪しくなってきて、谷の両側の山に挟まれた空を勢いよく流れる雲から雨粒まじりの風が吹きおろしてきた。すっかり忘れていた台風のことを思い出した3人は北に向かって避難することにし、ろぐ空をあとに、来た道を月ヶ瀬まで引き返し、 島ヶ原から国道163号に出て家路を急いだ。台風のおかげで素敵なカフェを教えてもらえた、楽しく、くつろげた朝練だった。


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