XJ900の爽快チューン
2009年10月6日 - バルブと燃焼室のカーボンを落とし、軽く擦り合わせをして組み立て   
     
裏返してびっくり! のシリンダーヘッド。ピストンの焼けから推測できたこととはいえ、排気バルブの色は予想を超えていた。
 ピストンとシリンダーの点検と掃除が終わるまで、シリンダーヘッドのことは忘れていた。そもそも今回のオーバーホールは、しなくても良いのに“ついで”または“はずみ”
にしてしまった作業だし、忙しい時期でもあったので、できればシリンダーヘッドには手を加えず、軽く掃除するだけで組み立てたかった。
 で、予定どおり、軽く掃除をしようとしてシリンダーヘッドを裏返した途端、ピストンヘッドを見たときよりもさらに激しく驚いた。こんな色のバルブを見たのは初めてだ。だが、点火時期とキャブのセッティングをちゃんとすれば、焼けすぎは解消するはずだし、カーボンの付着は少ないから、このまま組み立てても

問題はなさそうな気もする。
 そこで私は、とりあえず1セットだけ、吸排気バルブを外し、当り面やバルブステムの状態を観察したうえで、そこからさらに手を加えるかどうかを決めることにした。
 外してみたところ、吸気バルブ裏面にカーボンが厚く堆積していた。だがこれは、2007〜08年のフルオーバーホールの前と大差なく、きれいに落とせばそれなりの効果があっても、またすぐに同じようになるのは目に見えている。排気バルブのほうは、焼けたカーボンが灰のようにな
って固着し、やや赤っぽい色をしていた。どちらも、正常とは言えないにしても、どうしても掃除しなければならないほどの大問題ではない。

 しかし、当り面のほうは、とくに排気側に、カーボンを噛み込んだ跡が多数見つかり、これを何とかすれば圧縮漏れが減り、トルクが回復するのは明らかだった。で、もうすでに1セット外れているから、あと3セット外し、掃除をし、軽く擦り合わせをしても大して時間はかからないと考え、8本のバルブを外した。
 4バルブや5バルブとは違い、 2バルブのエンジンは楽でいい。外したバルブは、脚立に固定した電気ドリルにセットし、回しながらサンドペ
ーパーを押し当ててカーボンを落とした。バルブシートの修正をする気はなかったので、当り面周囲にはサンドペーパーをかけず、あとで軽く擦り合わせをして完了とした。
ストリートユースのマシンで、これは明らかに焼けすぎ。点火時期 and/or キャブレターのセッティングミスが原因と思われる。
湿ったカーボンが厚く堆積していた吸気バルブ。掃除してもすぐにこうなるのはわかっているが、気持ちの良いものではない。
吸気バルブとはまったく異なり、明らかに焼けすぎで灰色っぽくなっている排気バルブ。吸気バルブとの温度差は驚くほど。
 シリンダーヘッド側は、もともとカーボンの付着がヒドくなかったのに加え、バルブステムシールのスト
ックがなかったので、シール類への攻撃性について未知のガスケットリムーバーを使うのは避け、金ノコの歯を使った即製スクレッパーと真鍮ブラシを用い、軽くカーボンを落とすだけに留めておいた。
 その他、スプリング、スプリングシート、リフターなどは、目視で点検しただけ。いずれにも問題は見当たらず、そのまま組みつけた。
 これにて組み立て準備は完了である。最も嫌いなピストンの装着は、2007〜08年のフルオーバーホールのときと同じく、ピストンをシリンダ
ーに挿入した後、1個ずつコンロッドに通していく方法を採用した。
シャコマン(しゃこ万力)を用いてアルミの脚立に電気ドリルを固定し、バルブをくわえて回し、サンドペーパーを当てて掃除。
シリンダーヘッド側(燃焼室天井)のカーボンは、薬剤を使わず、ノコ歯を改造したスクレッパーと真鍮ブラシで剥がした。
堆積したカーボンを落とした吸気バルブ。擦り合わせ前なので、当り面にカーボンを噛み込んだ跡が点々と残っている。
付着し灰色に焼けたカーボンを落とした排気バルブ。こちらも擦り合わせ前のため、カーボンの噛み込み跡が見える。


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