XJ900の爽快チューン
2009年10月10日 - 今年もまた“美味しく楽しく懐かしい”CLUB XVのオフ会に(前編)   
     
 CLUB XV の方々にお付き合いいただき、XV FUNの一員に加えてもらっているのは、私がXV750EやTR-1とい
った1980年代のヤマハ製Vツインが好きなのはもちろん、ネット上のゆるやかな同好者の集まりであるCLUB
XVの雰囲気と、集まる方々の人柄を心地よく感じているからでもある。
 地元のツーリング仲間で、同クラブのHP世話役/オフ会の料理長/関西勢の隊長でもあるコンプライアンス(かわぐち)さんに誘われ、去年のオフ会に参加した私は、すっかりこのイベントが気に入ってしまい、今年も参加させていただいた。
 目的地は長野県辰野町の“しだれ栗・森林公園”である。単独行だった去年の往路とは異なり、今年は関西から参加する多くのメンバーとい
っしょにツーリングを楽しんで行くことになった。ルートは、去年の私の往路とほぼ同じに決まった。
 集合は伊勢湾岸道の湾岸長島SAに朝8時。当日ここに集まったのは、XV750Eのかわぐちさん、 BMW R100Sの大先輩、DUCATI 900SSのokakenさん、 BMW R1150GS+SRX600のとなかい&とべない豚夫妻、sportster883の箱付きさん、 そしてXJ900の私の合わせて7名だった。ここから伊勢湾岸道〜東海環状道を豊田松平まで走り、その先は目的地まで下道をつないで行くことになっている。
 先導役はかわぐちさん。コンプライアンスを自認するわりに、なぜかいつもよりペースが速い。シリンダ
ーヘッドカバーガスケットが心配で急激なスロットル開閉を避け、できれば 5000rpm以下で走りたかったのに、それだとぐんぐん離れてしまって、追いつくために、どこかで無理をしなければならなくなる。だから何とかついて行こうと、こわごわスロットルを開けている状態。ツーリング直前の忙しいときに腰上オーバ
ーホールなどするものではない。

京都に本店のある“中勢以”の熟成肉。3ブロック、合計4kgが本日のメイン。ここのより美味しい牛肉を食べたことはない。
「かわぐちさ〜ん、頼むからもう少しゆっくり走ってくださ〜い!」と願いながら、何とか伊勢湾岸道をやりすごし、豊田松平ICから先は県道39号・足助街道を北上。足助からは国道153号(飯田街道〜三州街道)を走り、飯田でファミレスに入った。
 家を出てからずっと、停まるたびにシリンダーヘッドカバーガスケットを覗き込み、駐車時にはペンライトで照らしながらヘッドカバー/ヘ
ッド合わせ面を全周にわたってくまなくチェック。しかしどうやら、トラブル後の再装着はうまくいったらしく、漏れやにじみは見当たらず。
 安心して昼食を食べたあと、駒ヶ根から先は、去年の復路にかわぐちさんといっしょに走った広域農道に入る。そして、伊那市中の原という交差点脇のコンビニで休憩しているときに、不意に昔の記憶が蘇った。このあたりに、庭一面にフランボワ
ーズが植わり、その横の建物の中で英国風アフターヌーンティーができるお店があったはずだ。
 確か、伊那か伊北のインターから近いところだった…と、かすかな記

憶を頼りにコンビニの店員に聞いてみたが、わからなかった。諦めの悪い私はかわぐちさんの許しを得て県道88号に入り、しばらく先頭を走らせてもらう。そして、見つけたら即入るつもりでいたのに、残念ながら気がついたときは88号は終わり、もとの国道153号に出てしまった。
 そこから目的地の“しだれ栗・森林公園”までは、すぐである。再びかわぐちさんに先導をお願いし、無事に国道から取りつけ道路に右折した。ここから先は迷わずに行けるので、こわごわ走っていた今日一日のうっぷんを晴らすべく激走した。それができたのは、私には珍しく工具を持参していたからである。もちろん、シリンダーヘッドカバーを開けてガスケットの再装着をするのに必要な全工具をタンクバッグに入れていた。が、到着後の点検で問題のないことがわかり、安心してみなさんに試乗していただくことができた。
 あとで調べると、例のお店は“サンタベリーガーデン”といい、すぐ近所を通過していたことが判明。今が旬らしい。再訪せねば!
駐車場での記念撮影の後、愛車とともにキャンプ場に入り、ログキャビン前にみんなを集めて開会宣言をする鈴木ヒロさん。
「どれどれ、前よりよおなっとるかな?」と言いつつ、わがXJ900のフロントフォークを押し、セッティングを確認する和歌山さん。
GS1000まめしば号に乗った和歌山さんは、スロットルバルブの作動性に驚嘆。「あのときこれがあったらなあ…」と漏らす。
 森林公園の受け付け脇の駐車場に着くと、すでに何人か、関東方面からの参加者が到着されていた。今回の幹事として多大なご苦労をいただいた鈴木ヒロさん、このところ他機種の集まりに積極的に顔を出しているまめしばさん、レストアしたてのTR-1のお披露目を兼ねてやってきた
JB店長さんの姿もあった。
 しばらくすると、このオフ会にこ
っそり誘っておいた和歌山利宏さんがやってきた。数日前に電話する機会があり、そのときついでにダメモトで誘ってみたのだ。2〜3日して電話があり「行くで〜!」の声を聞いたときは驚き、喜んだ。
 その後も続々とXV750E&TR-1をメインに、いろんな機種に乗る参加者が集結。単身赴任先の東京から90ccのカブで走って来られた谷さん、バイカーズステーション 2009年2月号に登場した素晴らしい仕上がりを誇るXV750E改1087ccを駆る沖本さん、

渋くまとめたTR-1のおかざきさん、一見そうは見えないTR-1のおーくまさん、6連FCRを装備したKZ1300に乗るkz1300-a1さん、 今年も食材買い出しアシとなったメルセデスのオープンカーで来られた TAMさん、かわいい妹さんといっしょにクルマで日帰り参加された KAZさんら懐かしい面々と、 黒いXV750EのCOOL7さん、ノートン マンクス風SR400で来られた沖本さんの友人・伊南さん、私が現役メカニック時代からの知りあいで最近XV750Eをいじりはじめた喫茶久保さん、近所でこの催しがあると嗅ぎつけて覗きにきた地元のタヌピチさん、 なぜかXJ900でここまで来てしまった Hollyさん、XV750Eで山梨からドタ参の小林さんらの初対面組、合わせて24名(?)が一堂に。
 すぐに帰路につく人も何人かいたので、まずはここで記念撮影。その後、キャンプ場の中にあるログキャビンの前に移動し、幹事の鈴木ヒロ

さんの開会宣言と料理長かわぐちさんからの注意事項伝達があり、CLUB
XVの全国オフ会は開幕した。
 かわぐちさんの話では、夕食は17時頃に作りはじめ、18時頃にスタートとのこと。それまでの間は自由にして良い(オマエらを連れて食材の買い物に行くと足手まといになるだけ…との含みあり)とのお許しが出たので、さっそく試乗会を始めた。
 ちょうどこの頃、小池さんが新車のように美しいXV750Eでご到着。
 GS1000・まめしば号、TR-1・JB店長号、sportster883・箱付き号、XJ
900・YO'SHI~号などを、和歌山さんに試乗してもらったり交換試乗をしたりしていると、あっという間に暗くなり、続きは翌日の午前中にまわして、参加者全員がログキャビンの前の焚き火のまわりに集まった。
 いよいよ、このオフ会のメインイベント。かわぐち料理長による野趣あふれるディナーの時間である。
数人がかりで運んだU字溝の中で火をおこし、牛塊を焼くかわぐちさんと、美味そうな香りのせいで、すでに興奮気味の面々。
皮ジャン、皮パンツ、皮ブーツ…と、料理人らしからぬいでたちではあるが、それがまたバイク乗りの集まりらしくていい雰囲気。
ただの酔っぱらいと化した和歌山さんと私。視線の先にあるのは、もちろん、左の写真でかわぐちさんが焼いている肉である。
 この時間を狙ったように、懐かしいXJ750Eのヒュルヒュル音が…。暗闇の中から現われたのはトモキ・オ
ータさんだった。久しぶりに連休がとれたとかで、今日は、奇しくも同日開催となったclub@SRXの全国オフミに立ち寄った後、延々と走り続けてここにたどり着いたらしい。
 そのclub@SRXの全国オフミに参加しているkei-1さんからは、 日本酒の差し入れが公園管理室に届いていた。こちらからは鈴木ヒロさんが代表して、あちらの宿舎にお酒を送ってくださったはず。ともにインターネットを介して仲間の輪を広げたクラブ同士。クロスオーバーなメンバ
ーが増えつつあるようだ。
 アルコール類は、他にも、ビールはもちろん、ワインあり焼酎あり、かわぐちさんお気に入りのバーボンあり…と、質/量ともに充分以上。お酒好きの和歌山さんは、早くもデキあがってきたようで、ふだんにも

増しておしゃべりオヤジと化す。
 この日のメインディッシュは、料理長自ら買いつけ、京都からXV750Eに積んで来られた牛塊の丸焼きである。焚き火であぶりながら、焼けたところをナイフで削ぎ落としていくのだ。知る人ぞ知るこだわりの肉屋
“中勢以”の上質の熟成肉だから、塩だけ、または塩と胡椒で食べるのが最も美味い。この肉を食べてしまうと、焼肉のたれなんてのは不味い肉の味をごまかすための調味料なのだと思ってしまう。
 残念ながら日帰りされる大先輩とokakenさんにも、この肉を味わっていただけて良かったと思う。
 肉さばきを誰かに任せたかわぐちさんは、次にフジッリを茹で、自家製のバジルソースがけを作る。バジルソースは、自家農園でできたバジルの葉をミキサーで粉砕し、オリーブオイルとニンニクを混ぜただけだそうだ。これがまたとても美味い。

 他にも、JB店長さんご持参の長岡名物巨大厚揚げ、沖本さんお手製の手羽先の唐揚げ、生野菜のサラダ、茹でたジャガイモなど、美味しいものがいっぱい。作ってくれた人、持
ってきてくれた人に感謝しながら、美味しく楽しくいただいた。
 かわぐちさんの予定どおり、18時にスタートした夕食は、そのまま自然に飲み会につながり、日付が変わる頃まで延々と続いた。開催日を去年よりも1カ月早めたのは正解で、焚き火を囲んでの夜話に最高の気候である。“XVが好き”の一言でゆるやかにつながった素晴らしいメンバ
ーに囲まれ、目の前には焚き火とお酒、そして林の中にぼんやりと見えるXVをはじめとする何台ものマシンたち…。バイク好きで良かったと思うシーンは他にも多々あれど、私にとっては、CLUB XV の全国オフ会の夜こそ、それが最も深く実感できるひとときなのである。


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