XJ900の爽快チューン
2009年10月9日 - 出発前日のエンジン始動でオイルが噴出し、慌てて対策   
     
シリンダーヘッドカバー〜シリンダーヘッド間のガスケットの一部が内側に入り込んだのがオイル漏れの原因。写真は対策後。
である。そろ〜りそろ〜りと走ってガレージまで戻り、問題の箇所を突き止め、対策をした。どうやら、3日前にシリンダーヘッドカバーを取りつけたとき、1カ所内側に入りすぎていたガスケットを引っ張り出す隙に、別の箇所がズレて内側に入り込んでいたらしい。引っ張り出してから全周をくまなくチェックしたつもりが、見落としていたようだ。
 原因がわかれば対策は簡単だ。ヘ
ッドカバー取りつけボルトを緩め、ヘッドカバーをわずかに浮かせた状態で、ピッキング用の針を用いて、問題の箇所のガスケットをいったん外側に引っ張り出し、ヘッドカバー
〜ヘッド間の隙間を少々狭くした後に少しずつ指先で押し込んでいくだけである。シリコングリスを塗っているおかげで、このときのガスケットの滑りは良好で、ぬるっ…ぬるっと、所定の位置に収まってくれる。
 普通はKE45などのシリコンコーク剤を用い、その粘着力でヘッドカバ
ーにガスケットをくっつけて装着する。そのほうが、ズレたり落ちたりすることなく楽に装着できるのに、あえて今までシリコングリスだけでやってきたのは、ゴム製のガスケットにKE45を塗りたくないという、つまらないこだわりのせいだ。
 だが、今回の失敗により、次からは方法を改めようと思う。KE45を塗るかどうかはともかく、クランクケ
ース内の強制減圧をしている以上、このガスケットが吸い込まれやすいのは確かなので、ヘッドカバー〜ヘ
ッド間のクリアランスをコンマ数mm小さくし、ガスケットの締め代を増やすのが現実的かもしれない。
 寒冷地へのツーリングに備えた冬支度のつもりで始めた整備が、いつの間にやら腰上のオーバーホールに発展したのは、結果的に焼けすぎを発見/対処できたという意味では良かった。しかし、1日で済むはずの整備に3日もかかり、抱えていたロ
ードライダーと新刊誌“Racers”の原稿執筆が大幅に遅れていた。
 で、とにかく、腰上の組み立てとエンジンオイルの注入までを慌てて済ませた後、 CLUB XVの全国オフ会に向かって出発する前日までの間は始動確認さえせずに、遅れを取り戻すべく原稿を書き続けていた。
 だが、いくら横着な私でも、バラし組みをした箇所の作動確認は必ずする。ようやくその時間がとれたのは、台風が去った9日の早朝。エンジンを始動し、アイドル状態で各部を目視点検した後、家の近所で実走

確認すべく走りだした。その瞬間、振動が低減し、低速トルクが増大しているのがはっきりわかった。嬉しくてたまらない。なぜそうなったのかの考察はあとまわしにして、充分にエンジンが暖まった後、少々高回転まで回してみた。これまた以前と比べてはるかに良い感触である。
 いい気になって走りながら、やや強めにエンジンブレーキを伴ってコ
ーナーに進入し、スロットルを開けた途端、右のヒザに熱さを感じた。ふと目をやると、オイルだらけである。うげっ! やべえ…。エンジンを見ると、シリンダーヘッドもオイルだらけ。停まって観察すると、シリンダーヘッドカバーガスケット〜シリンダーヘッド間から大量のオイルが吹き出したのだと判明した。
 家からわずか1kmほどしか離れていない場所だったのは不幸中の幸い
シリンダーヘッドカバーの取りつけは、特殊形状の8本のボルトによる。グロメットとワッシャによるフローティングマウントだ。
新品のヘッドカバーガスケットをストックしていたのに、中古で大丈夫だろうと思って、今回は交換しなかったのも敗因のひとつ。
凸型断面のガスケットの突起部が、シリンダーヘッドカバーの縁の全周にわたって掘られた溝に嵌まり込み、横へのズレを防ぐ。


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