XJ900の爽快チューン
2012年4月28〜29日 - とりあえず右側のみ、デザインを考えながら塗装と貼りつけ
     
ストロボラインに続いて蛍光ホワイトのラインを入れたが、これをテーパーにしたのは失敗。あとで均等幅のラインに貼り直した。細かな(目立たぬ)失敗はあるものの、割と満足しているフロントフェンダー。仕上げの悪さはデザインでごまかすことにした。
 いろんなところに何度も書いたように、塗装は大の苦手である。今回も例外ではなく、失敗に次ぐ失敗。“あ〜、も〜、や〜めた”と何度も放り出した。ところが、どういうわけか、今回はいつもと異なり、数日経つと再び塗りたくなるのだ。出来
/不出来はともかく、塗装とその付帯作業に対して抱いてきた“とんでもなくメンドクサいこと”という意識が薄れてきたからかもしれない。
 シルバー一色に塗ったのが気に入らず“青ベースの配色を考える”ことにして、いったん作業を中断。どんな塗り分け/配色がいいかな…と

考えているうちにダンロップツーリングステーションの日がやってきたので、古い外装パーツを取りつけてツーリングに臨み、帰ってきてから続きを考えるつもりだった。
 ところが、ツーリング中に、フロントフェンダー前側の前半分が割れてなくなるというアクシデントが発生。その修復にスペアのフロントフ
ェンダーを使うべく、全体のデザインや他の部分の塗装は後まわしでいいから、とりあえずフロントフェンダーのみ、急いで塗ることにした。
 フロントフェンダーが割れたのは22日深夜のこと。yajiさん宅でooさ

を含む1957〜59年式のオヤジ3人で鍋&酒の宴会中、庭で“ガシャン”
という音がしたので見に行くと、雨でセンタースタンドの足元がぬかるんだのか、ooさんのホークATが倒れており、 その車体後半をXJ900のフロントフェンダーが支えていた。
 そんなわけで、全体のデザインが決まらぬうちにフロントフェンダーの塗装に着手。サフェーサーを吹いた後にブリリアントブルーで全体を塗装したところ、思いのほかうまくいったので、続いて先端に黄色を塗り、前半分の側面に蛍光ホワイトのカッティングシートを貼った。
3枚めのサイドカバーに塗装でオレンジラインを入れ、分割ラインの位置/幅/傾きを探った。実寸よりも見た目を優先。寸法を計算で求めたり、きっちり平行にしたのでは、決してバランスよく見えないとわかり、最後はすべて、見た目で決めた。サンプリングのためだけに3枚めのサイドカバーを使用。2枚めが黒、3枚めは赤の、いずれもXJ750E2用のヤフオクパーツ。
 蛍光シートを貼ったのは、夜間の側方視認性を向上させるためだ。自分が夜道でクルマを運転していて、路地から出てきたバイクに気づくのに遅れて“ひやっ”とした経験があるから、側方視認性は良くしておきたい。以前はヘッドライトの両脇に丸型リフレクターを取りつけていたし、今もガソリンタンク前端〜フロントフォーク間のフレーム(横から見える部分)に角型リフレクターを貼りつけているのはそのためだ。
 それらの箇所にリフレクターを設置したあとも、もっと前寄りの、フロントフェンダーやフロントフォー

ク先端あたりに何か目立つシカケがあってもいいと考え続けてきて、今回、塗装材料を探している途中で見つけた蛍光カッティングシートを、塗装のついでに貼ろうと決めた。
 ただ、フロントフェンダーの側面いっぱいに“べたっ”と貼ったのではつまらないし、昼間はデザイン上のアクセントとしてカッコよくもしたい。で、4月6日に撮った写真に色を塗り、フロントフェンダー側面にストロボラインふうに3分割した白ラインを入れてみたところ、これがなかなかいい感じ。さっそく施工を
…と、型紙作りにとりかかった。

 しかし、この“ストロボライン”
というヤツは、相当に手強い相手だと思い知らされた。分割ラインの位置と幅と角度、個々のブロックのアウトラインや角の形状など、ちょっといじっただけで印象が変わる。
 白い紙をハサミで切っては水で貼り、立って座って寄って離れて眺めまくって形を決めるまでの試行は10回では済まず、そうして決めた型紙で切り出したカッティングシートでさえ、貼りつけ位置の微調整を繰り返したせいで2セットもボツにし、3セットめでようやく“お、なかなかええやん”と思える物になった。
マスキングテープをガイドに、3枚めから型取りしたオレンジブロックを貼る。微妙な位置調整のために霧吹きで水をかけた。オレンジブロックの分割ラインは9mm、下の白ラインとの隙間は8mm幅に決定。どちらもマスキングテープを縦に切って使用。夜、ストロボを焚いて撮影し、側方視認性を確認。“何”なのかはわからなくても、“何か”が出てきたことがわかればOKだ。
 フロントフェンダーが予想外にうまくいったので、調子に乗って、やはり全体のデザイン未決のまま、サイドカバーとテールカウルの青塗装とライン入れに着手した。
 フロントフェンダーの経験から、ストロボラインの寸法決定は慎重にすべく、3枚めのサイドカバーを使い、塗装の練習を兼ねて青に塗ったあと、マスキングしてオレンジのラインを入れ、その上に青やオレンジのテープを貼ったりはがしたりしながら、カッコよく見える分割ラインの位置/幅/角度を探った。
 ここでわかったのは、計算で割り

出したブロックの寸法や正確に傾きを揃えた分割ラインでは、見た目のバランスが悪いということである。そこで、これまた立って座って寄って離れて…を繰り返し、1箇所ずつ見た目で位置/幅/角度を決めた。
 こうしてできた3枚めのサイドカバー表面に紙を当ててオレンジブロックの形を写しとり、その形に切り抜いて型紙を作り、それをもとにカッティングシートを切り出し、マスキングテープをガイドラインにして2枚めに貼りつけていく…というメンドクサい手順のおかげで、何とか我慢できるレベルに仕上がった。

 こうした一連の作業の中で、サイドカバーやテールカウルの縁(R面取りした角)に達したラインの“終わり方”を、ちょっといじっただけで見た目の印象が大きく変わるのに驚いた。回り込ませるのかどうか、回り込ませないのなら、どの位置でどんな形で終わるのか、そういったことがらがすべて決まってからでないと、本来は塗装(というか、デザイン)など、できるものではない。
 好き嫌いはともかく、少なくとも
“変だぞ”と感じさせない純正塗色というのは、実は相当に考えられたものなのだと思い知らされた。


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